代表幹事 ご挨拶

 

20208月の幹事会において、薬物治療モニタリング研究会・代表幹事を拝命いたしました。本研究会の会員の皆様と研究会の発展のために努力していく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

本研究会では、昭和567月に第1回の勉強会から現在まで117回の例会および66回の特別ゼミナールを開催してきました。発足当初は、TDMTherapeutic Drug Monitoring)を理解するための勉強会および普及活動が行われ、薬剤師の積極的な薬物治療への取り組みのため、そして臨床に近づくためのツールとしてTDMを利用することがスタートでした。現在では、日本の薬剤師も病棟で活動する環境があり、薬物治療を全面的にすすめる際の不可欠な行為としてTDMは認識され、病棟薬剤師のみならず多くの薬剤師には必須のスキルになりました。

 

薬物動態学を基礎とすることで、効果・副作用に関係する血中薬物濃度を変化させる要因を理解し、患者さんの病態や状態に応じて個別投与設計をすることが求められます。必要であれば、その濃度をモニターし、再評価をしていくというプロセスを繰り返し最適な用法用量を考えていくことになります。ところが、同じ血中薬物濃度を維持したとしても、期待される効果がえられない場合も多々あります。やはり、その後に関係する薬力学Pharmacodynamicsを考える必要があります。医薬品開発のみならず、薬物治療においても必要なConcentration-Response関係を理論的に説明できる方法論を明確にすることは重要です。

 

当研究会は、薬物治療およびTDMに関連した最新の情報を講演スタイルで主に実施する「例会」を年3回、薬物治療に薬物動態・薬力学を応用するためのスキルを身につける症例を元にした演習主体の「特別ゼミナール」を年2回開催しています。現在は新型コロナ感染拡大により研究会の活動が大きく制限されています。このような社会状況下でもできることを幹事一同考えていきたいと思います。今後とも、本研究会の活動や運営に対する会員の皆様方のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 

                                              20209月 花田和彦 明治薬科大学薬物動態学研究室

 

首都圏では緊急事態宣言が延長されました。最前線でご尽力されている医療従事者をはじめ、関係する先生方に敬意を表すとともに心より感謝申し上げます。今後の状況は未だ予測できませんが、これまでとは異なる形式で研究会活動を再開できるよう幹事一同検討していきたいと考えております。

会員の先生方におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。